忍者ブログ
プロフィール
HN:
香陽
性別:
女性
職業:
専門学生
自己紹介:
どうも最終回を終えた作品にハマってしまう習性を持っているのか、「おじゃ魔女どれみ」見てます。
好きなアニメは色々あるのですが、小野主上の「十二国記」「ゴースト・ハント」や「彩雲国物語」、「魔人探偵脳噛ネウロ」、「獣の奏者 エリン」など、原作のある作品はアニメと原作で両方楽しめるので好きですね。
そして、好きな作品の二次創作サイトを巡るのも大好きです。
✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦
当サイトはリンクフリーの
ジャンル不定の二次イラスト、小説サイトです。

sitename: Hot milk
master:香陽
url:http://hotnamilk.blog.shinobi.jp/
バナーはお持ち帰りでどうぞ↑↑↑
           (一番上のヤツです)
✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦
カウンター
ado
メールフォーム
 
アンケート
文字書いたり(ほぼ本の感想ですね)、駄文・イラスト描いたりしてます。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

相互リンクさせていただいてます「空から雫、地からは花」のアンジェから頂きました!
バレンタインフリーということで、バレンタインのお話です。
スカナル・ガスナルの二つが楽しめて、これまたとっても良かったですよ。










「ナーシア。チョコレートを作りなさい。」

それは何時ものようにファティ・リンシャの厳命から始まった。


―Happy or Unhappy ?―


口を開けたまま閉まらないナルレイシアにファティ・リンシャはふふ、と微笑んだ。
その微笑みはまるで春の女神のようだったが―――……実は腹黒い企みを披露するときの笑みだったりする。

「え、な、何で……。」
「ふふ、それも普通のチョコじゃないのよ。」
人の話を聞かず、己の道を突き進むファティ・リンシャ。この時ほどの彼女ほど怖いものはないとナルレイシアは思う。
「中はね、当たりつきなのv」

語尾にハートをつけて言われた一言にナルレイシアは暫し呆然となる。

「…………へ。」

当たりつきとは何か。希少な本でもくれるのか。

思わず身を乗り出したナルレイシアにファティ・リンシャはにっこりと微笑む。


「1人の中にだけ、たった1個だけ唐辛子をたっぷり入れるのvvv」


「…………ファティ・リンシャ。それはハズレ付きと言うんじゃ………。」
「うふふv」


……………うふふって貴女………。

「もちろん、私の分とナーシアの分も作るのよ。誰が当たるのか楽しみだわ。」
「……………ファティ・リンシャ………。」
「なぁに?」
「さすがに、それはどうかと………。」
「ナーシア。」
「はい。」


にっこり。


「つ・く・り・な・さ・い・?」



「………ハイ………………ワカリマシタ…………………。」


ファティ・リンシャの微笑みは、泣く子(?)も黙らせる。



―†―

元々料理は得意な方だ。
ボールの中に刻んだチョコを入れ湯煎で溶かしながらナルレイシアはため息をつく。
手際よくチョコトリュフを作って行く。
そして、材料が、残り少なくなってきた。ファティ・リンシャには1袋に5個ずつトリュフを入れろと指示してきた。そして5個の内の1個だけ激辛唐辛子を入れろと。
作るのはガスカール・スカー・アマンシール・ネイスリーズ・ランディータ・ファティ・リンシャ…………そして、自分だ。


その中の1袋だけ。その1袋だけの5つのチョコトリュフの内の1つだけに激辛唐辛子が入っている。


『……………………ごめんなさいっ……!!!』



ドッサ―――――――ッ。


ナルレイシアは、唐辛子を入れた。


――†――


ナルレイシアはチョコを皆に配った。その際に一応唐辛子入りが含まれている事を伝えたが、皆黙って微笑むだけだった。

「唐辛子が当たっても良いのかしら………。」

スカーの部屋に向かう途中、ぽつりとナルレイシアは呟いた。
「スカーさん、バレンタインチョコです。」
はい、この中から好きなの選んでください。と籠を突き出すとスカーは照れたように笑って包みを1個取った。

「じゃあ、これをいただきます。」

その笑顔に若干引け目を感じながらナルレイシアは引け目を感じている原因となっている唐辛子の説明をした。
するとスカーは優しく微笑んで「ああ、それなら私は大丈夫です。」と言う。

「? 何でですか?」

スカーはするすると包みのリボンをほどき、チョコトリュフを1つ、何の躊躇いもなく口に含んだ。そして咀嚼する。


「とても、美味しいです。ヴィル・ダカール。」


そう言ってもう一個、包みからチョコトリュフを手に取ると、ナルレイシアの口に含ませた。


「!」


「ね?美味しいでしょう?」

スカーの笑顔とその行為にナルレイシアは顔を真っ赤にして。

「はい………。」

と呟くしかできなかった。


――††――


「スカーさんは時々天然タラシよね。」
まだ赤い頬を押さえ、ナルレイシアはガスカールの部屋に向かう。
当たり前のように疑問に思うが、ガスカールに『ありがとう』と言わせることができるのだろうか?

『あのガスカールだしねぇ……。』

『あの』、と言われるガスカールもガスカールだが『あの』と言うナルレイシアもナルレイシアだ。
そうこうしてる内にガスカールの部屋についてしまった。


さて。どうするか。


ナルレイシアは扉の前で固まった。
普通に受け取られるか………もしくは心から嫌そうな顔をされるだろう。

はぁ、とナルレイシアはため息をついた。

何か嫌な顔をされるくらいなら渡したくないと言うか………紳士的なスカーさんの後だから余計そんなこと思っちゃうのよね………でもファティ・リンシャに『絶対渡しなさい。』と言われてるから渡さな「人の部屋の前で何を突っ立っているんだ山猿」いといけないし………。


って、え?山猿?


「さっさとそこをどけ。」

とっさに隣を見るとそこには不機嫌な顔をしたガスカールが立っていた。

「何か用か。」
「えっと、その………。」

不穏なオーラを背負ったガスカールにナルレイシアはただおろおろと『えっと』を繰り返すばかりだ。

ええい。こうなりゃ無理矢理にでも渡すしかないわ!!

ナルレイシアはずいっとガスカールにチョコの入った籠を突き出した。

「あげるわ。」
「は………?」
「バレンタインでしょ!今日。だから皆に配ってるの!早く取ってよ!」

あぁもう何か恥ずかしい!
何であたしがガスカールにチョコをあげるのに照れなきゃいけないのよ!

ナルレイシアは半ばやけくそ気味に籠を突き出していた。
すると少しだけ籠が軽くなる。

驚いて、ガスカールの顔を向くと、ナルレイシアは大きな目を見開いた。


何とガスカールは微笑んでいたのだ!!!


「感謝する。」
「え、あ、はい………。」
「部屋に入る。退け。」
「ええ………。」


パタン。


扉が閉まり、ナルレイシアはその音で我に帰った。
フラフラと自室に帰り、自分に残ったチョコの包みを開く。


―――――完全に失念していた。

ガスカールは、美形だった。

普段があまりにもムカつく奴だったので忘れていたが、ガスカールは10人に聞けば10人とも『美形』と帰ってくるくらい、美形だったのだ。
そして、普段は笑わない人ほどその笑顔の殺傷能力は高い。


「……………――反則っ……!!」

ナルレイシアはポイポイとチョコトリュフを口に放り込んで行く。最後の1個になった時、そう言えばガスカールに注意してなかったな―――……と思い立ち、最後のチョコを口に放り込んだ。



「~~~~~~~~~~~っっっっっ!!!!!!」


―――――――当たった。


―†―

『~~~~~~~~~~~っっっっっ!!!!!!』

「あら、やっぱりね。」
ファティ・リンシャは屋敷中に響き渡ったナルレイシアの叫び声を聞き、微笑んだ。
彼女はゆっくりチョコトリュフを口に含む。

「ふふ、美味しい。」

最初から、誰に当たるかは見えていたものだった。
何故ならナルレイシアの周りに居る人達は皆大変運が良い。
そして彼女は『強運』に愛されていると同時に『凶運』にも愛されている。
そんなナルレイシアが、唐辛子入りチョコに当たらない筈がないのだ。

ファティ・リンシャはトリュフをゆっくり飲み込むと、紅茶を飲んで、一言、言った。


「さぁ、次はホワイトデーね。」


彼女の受難の日々は、もう暫く続きそうである――――……。


―Fin―




PR
「空から雫、地からは花」のアンジェ様よりまたまた頂きました、天を支える者ssです。
どうしてこんなにナルレイシアの生き生きとした姿を書けるのか、と憧れます。





「そうだわ!皆でクリスマスパーティをしましょう!」

ファティ・リンシャは両の手のひらを合わせてにっこりと微笑んだ。

「「「は?」」」

たまたまお茶会をしていたナルレイシア、ガスカール、スカーの3人が口を開けたまま動かなくなってしまったのは無理もないことであろう。


―聖なる夜 やどりぎの下で―

そんなことがあったのはつい数日前のことだ。
ナルレイシアはツリーの飾りつけをしていた。ファティ・リンシャは楽しそうに料理の準備をしている。
ナルレイシアが『そんなことファティ・リンシャにさせられません!』と言った所。
『ナーシアが料理なんか一人でしたらいつキッチンが爆発するかわからないでしょう?』
と言われてしまっては(今のところそんな現象はまだ起きてないのだが)ナルレイシアの場合、否、と答えられない。
しょうがないのでツリーの飾りつけをしているのだ。(だってツリーなら爆発する心配はない。)
やどりぎで作ったリースをツリーに飾りながらナルレイシアはひっそりと涙をのんだ。
するとキッチンからファティ・リンシャの声が聞こえてきた。
「ナーシア、あなた、お酒は強い方かしら?」
「あ、はい。薬がなかなか効かない体質なので強いと思います。」
「そう。じゃあシャンパンはアルコール入りで良いわね。」
ファティ・リンシャは鼻歌を歌いながら料理を続けている。
「でも嬉しいわ。料理するのなんて、いつぶりかしら。カール達が怖がってさせてくれなかったから。」
ありがとうね。ナーシア。と少々複雑な気持ちになりながらナルレイシアは頷いた。
ファティ・リンシャのセリフに少し引っ掛かりを感じながら、ナルレイシアはツリーの飾りつけを終えた。


―†―†―


「「「「「かんぱーいっ!」」」」」

カン、とグラスをぶつけあい、シャンパンを一気に飲み干す。
パーティに参加したのはファティ・リンシャとナルレイシア、無理矢理参加させられたガスカールとスカルドード。楽しそう!と言って店を放ってきたランディータ。天を支える職務を背負い、忙しいはずなのに何故か居るネイスリーズとアマンシールだ。

ファティ・リンシャの作った料理はどれも香りがよく、美味しくて、ナルレイシアは自分が作らなくて良かったと心から思った。
そして最後のケーキまで辿り着いたとき、ファティ・リンシャとガスカール、ナルレイシア以外の人達はべろんべろんに酔っていた。あの酒がいかにも強そうなランディータでさえもだ。

『皆飲みすぎたのねぇ。』

ナルレイシアが暢気にケーキを食べていると、ガスカールが声をかけてきた。

「ナルレイシア。」
「はーい……。って『ナルレイシア』!?あんたが!?」
そう。いつも常に毎日喧嘩を売ってくるガスカールだ。彼はいつも彼女を呼ぶとき『山猿』や『疫病神』など全くありがたくないあだ名で呼ぶ。
それが今、『ナルレイシア』と……。奇跡だ。奇跡以外の何物でもない。
ナルレイシアは思わず涙ぐんだ。そんなナルレイシアの様子を知ってか知らずかガスカールは話を続ける。

「あのツリーにかかっているリースは、やどりぎか?」
「え、えぇ。そうよ。」
「そうか。」
そう言うとガスカールはナルレイシアをツリーの下まで連れていく。
ナルレイシアも手を引っ張られるまま、素直についていく。

そしてやどりぎで作ったリースの下でガスカールは止まった。
そして向かい合う。



ちゅっ。



軽い音がしてガスカールの唇がナルレイシアの唇と重なり、すぐに離れた。
触れるだけの、軽いキス。

「……………何で?」
ナルレイシアは大きな蜂蜜色の瞳を真ん丸にしてガスカールに問いかける。
何って、とガスカールは至極当然のように言った。



「ここは、やどりぎの下だろう?」


ナルレイシアはさらに大きく目を開き、そして微笑んだ。
「そうね。ここはやどりぎの下だったわ。」

やどりぎには一つ、有名な言い伝えがある。
やどりぎの下でなら、誰とでもキスしていいと言うものだ。
他愛ない言い伝え。だけど女の子なら一度は惹かれる言い伝えだ。

ナルレイシアとガスカールは微笑みあった。

そして2人同時に。



倒れた。




――†――

「うーっ頭痛い―――…」
ガンガン痛む頭をおさえながらナルレイシアは朝食の席についた。
見ると昨夜パーティをしていた者達全員が今のナルレイシアと同じ表情をしている。ファティ・リンシャを除いては。
つまり、眉間にシワを寄せ顔面蒼白。目は赤く、手は頭を支えるために額へ。
ちなみに症状は体のだるさ、吐き気、頭痛。

結論。
2日酔い、だ。

体を動かすのも億劫な人達は何とか作った粥を口に運ぶ。
そんな中、スカーが口を開いた。
「…………ヴィル・ダカール……もしかしてファティ・リンシャに料理を作らせましたか………?」
「……え?えぇ…ファティ・リンシャがどうしてもとおっしゃるので………。」
ここでガスカールのいかにも忌々しげな舌打ちが飛んだ。しかし。それさえも頭に響くのか、すぐに頭を抱えてしまった。
「………………後で台所に行ってみてください。」
見ればアマンシールもネイスリーズも頭を抱えたまま苦笑している。ナルレイシアはふらふらと台所に向かった。


唖然。


ひたすら、酒瓶の山、山、山。どうやら全て料理に使われたらしい。決して飲み物として出されたわけではなく。

全て。料理に………。

スカーの話によるとファティ・リンシャは料理に大量の酒を入れてしまうのが癖らしい。
それでいて普通は香るはずの酒の匂いを上手く隠す天才だと言う。
しかしこれほどの酒が入った料理を食べて誰も急性アルコール中毒にかからなかったのは一種の奇跡であろう。
そしてこのファティ・リンシャの癖の最も厄介な点は誰も昨夜の事を覚えていないことだ。
普段の自分では考えられないことをあっさりやってしまい、そして唯一、酒地獄料理に耐えきれるのはファティ・リンシャただ1人なため……そしてそれはある意味、ファティ・リンシャに弱味を握られたことを意味する。

『成る程………ガスカール達がファティ・リンシャに料理を作らせない理由がやっとわかったわ………。』

痛む頭で冷静に分析しているナルレイシアも、昨夜の事は何一つ覚えていない。
もちろん、ガスカールもだ。


こうしてナルレイシアとガスカールは、ファティ・リンシャに頭が上がらない要因が1つ増えたのであった………。


~FIN~
「空から雫、地からは花」のアンジェ様より頂きました、天を支える者ssです。
このサイト様を見つけた時はもぅ嬉しかったですね。
天支のssを書いているサイトは初めて発見したので、その時の感動は凄かったんですよ!
ついつい、PCだけでなく携帯でも更新してるかを学校帰りとかに、ついチェックしちゃってます。





質問:恋人にするならどっち?

―Tipe Lovers―

ファティ・リンシャのにこにことした直球ストレートを受け、ナルレイシアはぽかん、と口を開けた。
「えっと……すみません、もう一度?」
「ナーシアは恋人にするならカールとスカー、どちらが魅力的かしら?」
あぁ…どうしよう。さっき言われた事と一言一句一緒だわ……。
ナルレイシアは軽く痛んだ頭を押さえた。
目の前のファティ・リンシャはやっぱりにこにことナルレイシアの返答を待っている。
これは、答えないと放してくれないだろう……このやっかいなご老人……失礼、貴婦人の性格が嫌と言う程分かってしまっているナルレイシアはコンマ1秒でやっかいな貴婦人の質問にきっぱり答えた。

「スカーさんです。」

「あら?どうして?」
「どうしてって…だってスカーさんの方が優しいし、ちゃんと人間扱いしてくれるし、紳士だし、趣味が合うし本好きだし同盟結んでるし……。」
「最後は関係ない気がするわよ、ナーシア。」
「そうですか?」

ファティ・リンシャは紅茶を飲みながらナルレイシアに爆弾を落とした。

「そう、ナーシアは優男が好みなのねぇ。」

危うく紅茶を吹き出しかけたナルレイシアはファティ・リンシャの言葉を否定するためにちゃんと飲み込んだ。

「いえ、ファティ・リンシャ、それはスカーさんとガスカールを比べたらの話でして別に優男が好きな訳じゃあ…」
「あら、そうなの?つまらない。」

つまらないってあなた……。

「まぁこの事はしっかりカールとスカーに報告しておきますから。」
「へ?」

ファティ・リンシャは立ち上がるととても貴婦人とは思えない足取りで(かなり軽やかに)ドアから出て行ってしまった。ナルレイシアがその言葉を理解するのに2分かかり、その間にファティ・リンシャは笑顔で当事者(?)の2人に告げてしまったのである。


―5分後―

「ちょっとちょっとファティ・リンシャ!?」


ばぁん、とある部屋の扉を開け放つと中にはガスカールが一人で突っ立っていた。

「あ…ガスカール……」
「…………なんだ、山猿」

……………何、この気まずい雰囲気……。

「えっと………聞いた?ファティ・リンシャから……?」
「何をだ?」
「いや、聞かなかったんなら良いんだけど……。」

じゃあ何故こんなに気まずい雰囲気なのか。
何となく後ろに下がるナルレイシアに、ガスカールはどんどん近付いて来る。

「な、なんでこっち来るのよ。」
「お前こそなんで逃げるんだ?」
「ガスカールがこっち来るからでしょっ!!」

そしてあっと言う間に壁にぶつかってしまった。
ガスカールはナルレイシアを自分と壁の間に閉じ込めた。

うわっ!!近い近い!!!美形の顔が近いっ!!

ナルレイシアの顔はほてり、心臓もドキドキ言い出した。
あれ?ていうか何かデジャヴ??前も誰かにこの体勢やられたような………。あぁ、あのバカ君にされたんだわ……。

でもあたし、なんでこっちはドキドキしてるんだろ?


「スカーが好みなんだって?」


その一言で、ナルレイシアの頭がいっぺんに覚めた。

「やっぱり聞いてるじゃないのよ~~~~~っ!!!」

ドカッと一発回し蹴り。それは見事にガスカールの脛へとクリーンヒット。

「~~~~~~~っ!!!」

声も出ないガスカールを置いてナルレイシアはひらりとガスカールから逃れ、扉から外に出た。
胸の動悸はいつの間にかおさまっていて、そしてそれも今のナルレイシアの頭には無かった。今のナルレイシアの頭を占めるのは一つだけ。


「うう……スカーさんに会うの、気が重い………。」


ガスカールが知ってるって事はスカーさんにも知らせてるって事よね?あーもう頭痛い~~~っ!!。


………彼女が新しく芽生えた気持ちに気がつくのはまだまだ先の事。


「あら?あらあらまぁそうなの!!」


ファティ・リンシャは紅茶を飲みながら風霊の報告を受けていた。
「まぁ、奥手なカールがそこまで頑張ったのね。さてさて、どっちとくっつくのかしらね~~~♪」
彼女は酷く楽しげにスコーンに上品に齧り付く。
ちなみに、ナルレイシアがファティ・リンシャを見つけられたのは、それから30分後の事である。


~FIN~

phot by Anghel * icon by ひまわりの小部屋
designed by Himawari-you忍者ブログ [PR]